世人の通病,事に先んじては体怠り神昏し。事に臨んでは手忙しく脚乱る。事を既へては意散じ心安んず。これ事の賤なり。 呂 新吾『呻吟語』
誠にによく穿っている。平生に修養を積まねば結局みなこういうことで終わってしまう。これではいくら経験を積んでも何にもならない。まして大事を成せそうにもない。この戦後の世界の混乱も,国府中国にしても,イギリス,フランスにしても,アメリカにしてもそうだ。戦争が済んでやれやれと思った途端心にゆるみができてしまって,つまり「意散じ心安んじ」て新しい侵略勢力に対する注意も備えも等閑にしてしまった。つまり「体怠り,神昏かった」のである。
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