人七尺の体を具うるも,此の心・此の理を徐了すれば,便ち貴ぶべき無し渾て是一包みの膿血か,一大塊の骨頭のみ。飢えては能く食ひ,渇しては能く飲み,能く衣服を著,能く淫欲を行ひ,賎貧にしては富貴を願い,富貴にしては,権勢を貪り,怒っては争ひ,憂えては悲しみ,窮しては濫り,楽しんでは淫り凡百る所爲一ら気血に信せ,老死して已む。則ち之を命けて禽獣と曰ふも可なり。
陳白沙 広東に住む明末の哲人 人間から心というもの,道理とういうものを除いてしまったただの人間というものは一個の膿血袋,一塊の白骨に過ぎぬ。することとて,きまりきったあくどいものではないか。
生化学者R・Mバインダー教授 人間をただの動物とすれば,烏龍茶一つをあく洗いする程度の石灰,玩具の大砲をポンとうつ程度のポッタシウム,薬一服分ほどのマグネシア,マッチ二千ほどの燐,釘1本分ほどの鉄,コップ一杯分ほど糖分,シャボン5個ほどの脂肪にすぎないそうである。
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